Windows 10が一般公開されたのは2015年11月中旬のこと。4年が経過した2019年10月のOSシェア(netmarketshare.com)によれば、Windows 10は54.3%に留まっており、2020年1月14日に延長サポート終了となるWindows 7は今だに26.94%にも及んでいます。
・・・ということで、2020年1月14日に向けてのカウントダウンが始まっており、駆け込み需要が高まっている状況です。
「Windows 10を入手アプリ」による無償アップグレードは2016年7月29日に終了してしまっていますが、いつからでしょうか?Microsoftの「Windows 10のダウンロード」ページ経由でWindows 7/8.1からのアップグレードが追加料金なしでできる状態が続いています。
駆け込みでWindows 7から10へのアップグレードのニーズが再び高まっている中、改めてアップグレードに際してのライセンスに関する疑問について、マイクロソフト社の回答を得た上で、まとめておきたいと思います。
1、本来、Windows 7/8.1からWindows 10へのアップグレードにはライセンスが必要
マイクロソフトとしての正式な見解は”こちらのページ”に出ています。
さらに、「Windows 10のダウンロードページ」には、次のように記されています。
「開始するには、Windows 10をインストールするためのライセンスが必要です。」
過去にWindows 7/8.1からWindows 10にアップグレードをした事がある場合、「デジタル ライセンス」という仕組みによってライセンス認証がなされているため、やはり7/8/1に戻した場合でも、Windows 10をインストールするライセンスを保有していることになるわけなんですね。
一方で、Windows 10を使っていて、トラブルなどにより再インストールが必要になった場合にも、同様にWindows 10をインストールするライセンスを保有していることになるわけです。
この場合、上記の「Windowsのダウンロード」ページから、「ツールを今すぐダウンロード」して、Windows 10のインストールを行うことができます。
2、本来、Windows 10のライセンスがない場合には購入
Windows 10のライセンスを保有していない場合、販売店などで購入する必要があります。
アマゾンであればパッケージ版を購入することができます。
Home版 Pro版
企業の場合には、ボリュームライセンスを購入することで管理がしやすくなります。
弊社内でもボリュームライセンスを購入したり、個別にパッケージ版を購入するなどして利用しています。
・・・とは言え、2018年の夏の終わりごろ、「おや?」ということに。。。
3、Windows 7/8.1からのアップグレードが無償でできてしまう状況
1、購入済のWindows 10のライセンス(プロダクトキー)を用いることなく、Microsoftの「Windows 10のダウンロード」ページに沿って、Windows 7からWindows 10へのアップグレードが行えてしまうこと。
2、「設定」>「更新とセキュリティ」>「ライセンス認証」を確認してみると「Windows はデジタル ライセンスによってライセンス認証されています」と表示されていること、
・・・に私自身が気づいたのは2018年の夏の終りごろのことです。(実はそれ以前から可能だったようです。)
#「ライセンス認証」の文言には、その他の表現もあります。詳細はWindows 10のライセンス認証に関するページをご参照ください。
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/12440/windows-10-activate
1、Windows 10のライセンスはすでに購入済だったのですが、最新版をダウンロード&インストールするために、「Windowsのダウンロード」ページから、「ツールを今すぐダウンロード」して、アップグレード作業を行う時にもインストール完了後にも、プロダクトキーの入力を求められることがなかったからです。
2、2016年7月29日に終了している無償アップグレード期間内に、Windows 10にアップグレード作業をしたことがないPCでも、Windows 7からWindows 10へのアップグレードにプロダクトキーの入力を求められず、完了後、ライセンス認証に行われていたこと。
3、さらには、クリーンインストール時には25桁のプロダクトキーの入力を求められますが、試しにWindows 7のプロダクトキーを用いて(実際には用いなくても)Windows 10のインストールを行うことでライセンス認証済みとなること。
(実際には、プロダクトキーを入力せずにインストールを完了させても「ライセンス認証」済みとなる場合があります。)
しかし、改めて「Windows 10のダウンロードページ」をよく見てみると、繰り返しとなりますが、次のように記されています。
「開始するには、Windows 10をインストールするためのライセンスが必要です。」
さらによく見てみると、しつこいですが、以下の通り書かれています。
「Windows 10をインストールするライセンスをお持ちで」・・・と記されています。
Windows 10のライセンスを購入している場合に「メディア作成ツール」を使う事ができるわけですね。
#仮想環境でいろいろと試してみました。Windows XPやVistaからはアップグレードはできませんでした。
(1)Windows 10のパッケージ版やボリュームライセンスを購入しなくても、アップグレード作業が行えて、しかも「ライセンス認証済み」となる・・・。これはどういうことなのでしょうかか?
(2)Windows 7/8.1で稼働中のデバイスは、Windows 10をインストールするライセンスを持っていることになるのでしょうか?(本来、そんなことはないはずですが。。。)
(3)そのまま使い続けても問題ないのでしょうか?ライセンス違反にはならないのでしょうか?
4、実際、マイクロソフトのサポート窓口に問い合わせを行いました。
結論から先に述べますと、「そのまま続けても問題ない」という回答でした。
「ライセンス違反にもならない」とのことでした。
上記(1)、(2)についてはグレーな部分があるようです。ご担当者も慎重に言葉を選びながら、言葉を濁していました。
(3)については、「そのまま使い続けていても問題ない。」また「ライセンス違反にはならない、ただし、今後何らかのタイミングでライセンス認証が外れてしまう可能性も無いとは言えないので、その時には恐れ入りますが改めてライセンスをお買い求めいただきますようお願いいたします。」
・・・という回答でした。
そうなると、すでに購入済みのWindows 10のライセンスはどうすればいいのでしょうか?
いずれにしても、会社のパソコンのライセンスが使用途中で外れてしまっては業務に支障が生じてしまいますし、何よりも契約上、ライセンス的にグレーなまま使い続けるわけにもいきませんので、Pro版の場合、ボリュームライセンスで購入しているライセンスを登録して利用しています。(そもそもボリュームライセンスの場合、ダウンロード先が異なります。)
登録の方法は次の通りです。
5、安心して使い続けるために、購入済みのライセンスを登録する方法
「設定」>「更新とセキュリティ」>「ライセンス認証」を開いて、「プロダクトキーの変更」で、25桁のプロダクトキーを入力します。
これにより”グレーではない”、正式なライセンスとして登録されることになります。
Windows 10はこの先、Windows 11, 12, 13, 14, 15・・・とはならず、Windows 10のままで、バージョンが半年に一度上がっていくことになります。
#例えばバージョン1903は、2019年春、1909は、2019年秋のバージョンであることを示しています。
OSのアップグレード費用は、この先かかりませんので、基本的に、この先OSに関しては別途費用は不要となります。
従って、これから先、長きに渡って使い続けていくためには、正式にライセンス登録しておくと安心ですね。
個人のパソコンは、ライセンスを改めて登録せずに使い続けてもライセンス違反とはならないというマイクロソフト社の見解を得られたので、このまま使い続けて、様子を見ていきたいと思います。
せっかく購入したライセンスは、組み上げる予定の自作パソコンに登録することにします。