今回のトラブル事例は、事務所で無線ルーターを増設したら一部のPC、タブレット、スマホで印刷やスキャンができなくなった、共有フォルダーやNASにつながらなくなってしまった、というケースです。
解決方法を先に述べると、増設した無線ルーターのモードを、「ブリッジ」または「AP=アクセスポイント」に切り替えることになります。
理由などを詳しくみていきましょう。
”ルーターモード”で別の独立したネットワークができてしまう
従来、NTT光のブロードバンドルーターに接続して運用してきた部分を下の画像の緑部分とします。
新たに無線LANルーターを買って来て、そのまま設置し、パソコンやスマホ/タブレットを接続すると、上の画像の背景が赤い部分のように、独立した別々のローカル・エリア・ネットワークができてしまうことになるでしょう。
理由は、新たに設置した無線LANルーターが、標準では「ルーターモード」になっている場合が多いからです。
光ブロードバンドルーターにつながったネットワークのアドレス(上の画像の緑部分)が、例えば「192.168.1.xx」であるのに対して、新たに設置した無線LANルーターにつながったネットワーク(上の画像の赤部分)のアドレスは「192.178.0.xx」や「192.168.10.xx」など、異なったものとなってしまいます。
そうすると、上の画像の例で、192.168.0.2や192.168.0.5のアドレスが割り振られたPCから192.168.1.5の複合機にはつながらなくなり、印刷やスキャンができなくなってしまいます。
また、192,168.1.2のパソコンが公開している共有フォルダーや、192.168.1.3のNASに接続できなくなってしまいます。
このような場合、無線LANルーターを「ブリッジモード」あるいは「AP=アクセスポイントモード」に変更します。
ブリッジモードへの変更
バッファローの機種の場合、こちらのページにわかりやすく方法が機種ごとに掲載されています。
多くの機種には「ルーターモード」と「ブリッジモード」の切り替えスイッチがついているのですが、最近人気のTP-Linkの機種にはスイッチはありません。
このような機種の場合、設定画面から「動作モード」の切り替えを行います。
切り替え後、無線LANルーターは再起動されますのでしばらく待ちます。
ブリッジモードで同一のネットワークに
新たに増設した無線LANルーターを「ブリッジモード=APモード=アクセスポイントモード」に変更するとすべてが同じネットワークとなり、「同一のLANを形成」することになります。
これにより、LAN内のどのPCやスマホ、タブレットからでも、上の画像の192.168.1.5の複合機や192.168.1.3のNASにアクセスできるようになります。
LAN内の機器のIPアドレスを確認するには
同一のLAN上にどのような機器が接続されており、それぞれに割り振られたIPアドレスが何かを知るにはコマンドを用いる方法もありますが、かなり面倒です。
専用のアプリを使うと便利です。いくつか同様のアプリがある中で、「Advanced IP Scanner」がオススメです。
Advanced IP Scannerのダウンロード
下記アドレスからダウンロードし、無料で利用できます。
http://www.advanced-ip-scanner.com/jp/
「>」印がついたものをクリックして現れる「HTTP」をクリックすると、その機器の設定画面にアクセスできて便利です。
「二重ルーター」になっていないか、コマンドでチェックする
ちなみに、ルーターが2台、2段階でインターネットに接続されている状況は”二重ルーター”とも言われています。
このような状況にあるかどうかはコマンドで確認できます。
デスクトップのWindowsアイコンを右クリック。「Windows PowerShell(管理者)」を起動します。
「>」に続いて「tracert yahooo.co.jp」などと入力します。
「192.168」で始まるアドレスが2つ表示されている場合、いわゆる”二重ルーター”状態にあることになります。
以下の場合、”三重ルーター”状態にあることになります。
追加したWiFiルーターをブリッジモードにして一つのネットワークにまとめると「192.168」で始まるアドレスが一つだけ表示されて、外のインターネットに直接接続(=ゲートウェイ)されている状況にあることがわかります。
WiFiが遅い、途切れるなど、不安定な場合
ネットワーク関連のトラブルは分かりにくいものですね。特に無線LAN=WiFiに関するトラブルは面倒なものです。
WiFiが遅い、途切れるなど、不安定な場合、次の記事もご参考になさってみてください。