【注意】Windows 11非対象の機種を無理くりアップグレードすると、場合によっては起動不能に

Windows 11が稼働するためのハードウェア要件をマイクロソフト社のホームページでチェックすると、さほど敷居は高いものではないように見えます。しかし、実際にアップグレードを試みてみると、一定の古い機種では下の画像のように「このPCは現在Windows 11のシステム要件を満たしていません」という表示が出ます。

機種にもよりますが、メモリーが4GB未満である、プロセッサ=CPUが古い、などの理由も表示されるのですが、特に「トラステッド・プラットフォーム・モジュール(TPM)」というセキュリティチップが必須で、バージョン2.0以上である必要があります。このTPMとは、は暗号化キーやユーザー認証などの機密データをハードウェアで保護し、マルウェアや攻撃者によるデータへのアクセスや、データの改ざんを防ぐためのものとなっています。

これらのハードウェア要件のチェックを回避してWindows 11にアップグレードする方法が、YouTubeやネット上に出回っていますが、TPM2.0に対応していないPCの場合、たとえ無理やりWindows 11にアップグレードできたとしても、使い続けていくうちに、システム更新が行われることで、起動不能になるなど、トラブルに遭遇するリスクがありそうです。

実際、24台ほどWindows 11にアップグレードして来ている中で、TPMを搭載していない2012年製のDellのPCの場合、システム更新の修正プログラムによるアップデートが行われ、再起動したとたん、以下のようにセキュアブートに関する表示が出て、起動不能になっています。

実は、いったんWindows 11にアップグレードしたあと、10日間以内であればWindows 11に簡単に戻すことができるのですが、このように起動不能となると、Windows 10に戻すこともできません。

こうなると、まっさらな状態で、Windows10を再びクリーンインストールしなければならない事態となってしまいます。

#このようなトラブルは、マザーボードやファームウェアなどの問題もあったりして、Windows 10の環境でも起きていましたが。

同様に、2015年製のVAIO S11も起動不能となりました。TPMのバージョンは1.2です。

一方で、TPMに対応していない2014年製のNECのデスクトップ機や、2012年製ThinkPad X1 Carbon(TPM 1.2)など、問題なく稼働している機種もあるのですが、これらの機種も、いつシステムアップデートによって利用できなくなってしまうか、安心はできません。

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【重要】TPM2.0に対応しているかをチェック

パソコンがTPM2.0に対応しているかどうかは、「Windowsアイコン上で右クリック」>「デバイスマネージャー(M)」を開いて、「セキュリティデバイス」欄で確認できます。

あまりにも古い機種の場合、この「セキュリティ デバイス」という項目自体が表示されないものもあります。それが上記の起動不能となった2012年製のDellのPCです。

いずれにしても、トラステッド プラット フォームモジュール(TPM) がバージョン2.0以上でない機種にはWindows 11はアップグレードすべきではないと考えられます。

Windows 10と11の大きな違い

Windows 10では、互換性の観点からBIOS(Basic Input/Output System)や、UEFIのBIOS互換機能(CSM:Compatibility Support Module)を使った起動もサポートしています。

Windows 10ではセキュアブートが無効でも起動/利用可能

ところが、Windows 11ではこれらのレガシーなファームウェアをサポートしません。Windows 11では、OSの電子署名を照合する「Secure Boot(セキュアブート)」を有効化したUEFIの利用が必須となっており、システムの安全性を高めることで、情報漏えいの問題、ハッキングなどに対応しようとしているわけなんですね。

TPM機能は、CPUやチップセット内のSoCに搭載されており、マザーボード上のファームウェアと組み合わせて利用するしくみが一般化しています。CPUが古い場合、ファームウェアが非対応のマザーボードの場合、Windows 11が正常に動作できない可能性がありそうです。

繰り返しとなりますが、TPM 2.0以上でない機種にはWindows 11はアップグレードすべきではないということになります。

Windows10のサポート期限は2025年10月14日

2015年の正式公開時には、格安なIntel Celeronを搭載したPCでも軽快に動作していたWindows 10ですが、半年ごとの進化(迷走?)を繰り返すうちに、2020年の秋ごろから動作が重く業務では使い物にならなくなってしまいました。

非力なパソコンの場合、月に一度のシステム更新、緊急アップデートのたびに、業務に支障をきたすほどに動作が遅くなってしまうことが、しばしば起こる状態になってしまっています。

逆に、10年目となる2012年製のパソコンでも、CPUがIntel Core i5プロセッサー以上で、メモリーが8GB以上搭載し、メンテンスをしっかり行っている機種は、私が普段業務に使用する程度であれば、十分に使用できています。

Windows 10のサポート期限は2025年10月14日までとなりました。

それまで動いてくれれば15年。その時まで、Windows 10のまま使い続けようと思います。

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