ひところスパムのように、名刺情報があちこちからEight経由で送られてきて、「個人情報の扱い/プライバシー管理大丈夫か?このサービス」と、話題になった「Eight」ですが、今では同社の法人向けのクラウド名刺管理/共有サービスの「Sansan」が多くの企業に受け入れられていることもあってか、急速にユーザーが増えているようです。
Eightは単なる名刺管理アプリではなく、「名刺でつながるビジネスのためのSNS」とうたっていますが、本稿ではScanSnapと連携して、名刺管理を便利に行う方法にポイントを絞って見ていきたいと思います。
同じSNSサービスにベクトルが向いている「Wantedly People」と比べても、Eightには一日の長があるようで、実際に使ってみると使い勝手の良さが際立っています。
まずは、ScanSnap Cloudで名刺管理をするイメージ動画を!
事前にプライバシー設定を
以前のように名刺を取り込んだ瞬間に、スパムめいたメールが相手先に飛んでしまうというような無謀な設定は、予めオフになってはいますが、登録時に入力した個人データが、知らないうちに公開されてしまうことが起こりえますので、まずは設定をしておきましょう。
使い慣れていって、”人脈を広げよう”、”ビジネスを拡大しよう”、”魅力ある企業からスカウトを受けたい”、”優秀な人材を引き抜きたい”となった時に積極的に情報を公開していけばいいと思います。
1、プロフィールの公開設定
まずは、登録時に「プロフィール」の作成を行いますが、必須項目だけを入力した時点で下記の設定をしておいたほうがいいでしょう。
この「プロフィール」の一番下までスクロールします。
「プロフィールの公開設定」を開いて、項目ごとに公開範囲を設定しておきます。
2、「設定・その他」
プロフィールページの画面右上の”ギア型アイコン”をタップすると「設定・その他」画面が現れます。
- この中の「名刺登録時の招待」が「すべてオフ」になっていることを確認します。
- 「名刺交換リクエストの受信」は「知り合いのみ」にしておくといいでしょう。
- 「投稿の公開範囲」は、「つながっているユーザー」にしておけば、公開の範囲は一番狭くなります。
3、プロフィール・ページを非公開に
これが一番重要かもしれません。
Eightに登録してプロフィールを作成すると、個人ごとのページが作成ことになります。
これが標準では「一般公開」になってしまっており、放置しておくとGoogleで検索可能となってしまいます。
Eightにパソコンでログインして、自分のプロフィールページを開いて、「プロフィールURLの公開設定」を「非公開」にします。これをしておかないと、知らない間に個人情報がダダ洩れになってしまう恐れがあります。
以上のように、個人情報をいきなり晒されてしまうことを防ぐ設定変更を終えてから、ScanSnapで名刺を取り込むようにします。
ScanSnap “Cloud”であれば取り込みがラク
Eightでもスマートフォンのカメラで名刺を撮影して取り込むことができますので、名刺交換して帰社後にマメに撮影~取り込みできればいいのですが、なかなかそうも行きません。ため込んだ名刺をデータ化するには、ScanSnapが便利です。
ScanSnap ix500など「ScanSnap Cloud」に対応している機種であればEightへの名刺の取り込みはとてもラクです。
「ScanSnap Cloud」の「スキャン設定」で名刺をスキャンした場合、「Eight」に自動的にアップされるように設定しておくだけでOK。
あとは、「ScanSnap Cloud」モードにしておいて、名刺をセットし、スキャンボタンを押すだけです。
今回は、264枚の名刺を30枚程度に適当に分けてスキャンしました。
スキャン終了まで5分もかかりません。
#上下はどうでも良く、自動的に回転してくれるのですが、名刺の表面を内側に向けることがポイントです。
Eight Scanでの取り込み
2つ目の方法は、「ScanSnap Manager」と連携して取り込みを行う「Eight scan」での取り込みの方法です。
設定を終えて、「Eight scan」を起動します。
Eightのメールアドレス、パスワードでログインします。
取り込む名刺をセットして「スキャン」をクリックすると、次々に取り込みが行われます。
取り込みが完了したら、自動的にEightの自分のアカウントに送信されます。
標準で「招待を全てオフ」になっています。「Eightへ招待」にチェックが入っていると自動で取り込んだ相手先にメールが送られてしまいますのでご注意を。
この画面で表裏の入れ替えや回転、削除などが行えます。
ScanSnapが一度に名刺を読み込みできるのは大体30枚程度ですので、これを何度か繰り返すことで大量の名刺を短時間でスピーディに取り込んで、しかもデジタルデーター化されるので、案内状、年賀状などの送付に活用できるようになります。
取り込みの精度はかなり高く、入力がうまく行っていなそうな名刺を判定しているようで、「データ入力待ち」となっている名刺が数件残ります。
取り込んだデータは、基本的にAIで処理されますが、人が目視しながら入力チェック/修正をやっている、と言われています。
ラベル(タグ)にも対応
名刺の分類/整理にとても便利なラベル(いわゆるタグと同様)にも対応。
これにより検索/抽出が便利になります。
取り込んだデータの再活用もバッチリ
月額400円(税抜)の有料会員になると、登録が完了された名刺データを、データーとしてまとめてダウンロードできます。
#App Store/Play Storeからワンクリックで有料会員になれます。契約期間は1カ月なので、必要な時だけ1ヶ月有料会員になって、作業が終わったら、退会することも可能です。
ダウンロードには準備が必要ですが、数分で完了します。
CSV形式でダウンロードすれば、Excelで開くことができます。
また、年賀状ソフトなどに取り込むことも可能なので便利です。
名刺でつながるソーシャル機能
Eightの本領は名刺管理だけではありません。
Eightは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)によるビジネスを広げる可能性が、名刺管理機能というベースの上に大きく広がるサービスです。
「名刺交換はいいんだけどさ、友達増やしたいわけじゃないんだよなぁ・・・」
「働く者同士のいい距離感だとボクは思う。」
名刺から人脈を広げたり、新しい顧客を開拓したり、転職求人も役立つ仕組みができています。
名刺の受け渡しという日常的な行為に革新をもたらすEightの取り組み。とても興味深いですね。