「突然パソコンの電源が落ちるvol.2:今度はハードディスクの異常と熱?」という記事に書いた通り、ハードディスクのトラブルによりシステムが不安定になったお客様のパソコン。
このハードディスクはまだ完全に壊れているわけではありません。まだ動作はできるうちに、ハードディスクを丸ごとバックアップし、新しいハードディスクに入れ替えて、丸ごと復旧させることにしたわけですが、前半の記事ではバックアップの手順についてご紹介しました。
後半は、復旧の手順についてご紹介いたします。
(1)ハードディスクの入れ替え
古いハードディスクでのバックアップが終了したら、取り外し、新しいハードディスクに入れ替えます。ノートPCの場合、バッテリーを外してから作業します。
多くの機種は本体をひっくり返して、筐体の一部のネジを外すことでハードディスクやメモリーの付け替えができるようになっていますが、Ultrabookなどの薄型/小型の機種の場合、多くのネジを外して分解しないと換装ができないものもあります。
「(機種名) ハードディスク換装」でネット検索すると詳細手順を紹介しているページが見つかる場合もあるので参考にするといいでしょう。
#メインのネジにはシールが貼ってあり、剥がすと保証対象外となるので保証期間内の場合注意が必要です。
下の画像の赤枠部分がハードディスクです。
いくつものネジで固定されており、フレームもネジ留めされていますので外します。さらに接続部を慎重に外します。
リボンケーブルが外れないように注意しながら、新しいハードディスクを装着します。
(2)「回復ドライブ」/「システム修復ディスク」からパソコンを起動
起動ドライブの選択画面を表示させてパソコンを起動させる
パソコンを終了させて電源を切ります。
こちらの「復旧作業に備えて、「回復ドライブ」/「システム修復ディスク」の作成」で作成しておいたUSBメモリーかDVDディスクをパソコンに挿入します。
多くのパソコンは電源を投入してメーカーのロゴが出た時に「F12」キーを押したままにします。(タイミングが結構難しいです。)
#メーカー/機種によって方法が異なります。マニュアルをチェックしましょう。
下の画像のような起動ドライブの選択画面(ブートマネージャー)が出ます。
項目は矢印キーの「↑」、「↓」で選択を切り替えます。
上の画面の画面の場合、
- 「DVD-RAM」という表記が入った2番めを選ぶとDVDディスクから起動できます。
- 上の例のように「Generic Flash Disk」を選ぶと、USBメモリーから起動できます。
起動させたいデバイスが選択された状態で「Enter」キーを押すと、選んだデバイスからシステムの起動が行われます。
(3)「システムイメージバックアップ」からの復旧
「回復ドライブ」から起動すると初期画面が次のようになります。
ここで、「システムイメージバックアップ」を保存してある外付けのハードディスクをパソコンに接続しておきます。
「トラブルシューティング」を選択。
「詳細オプション」をクリック。
「イメージでシステムを回復」をクリック。
ユーザーのIDが表示されます。
PCをへのログイン用のパスワードを入力し「続行」をクリック。
「システムイメージバックアップ」を保存してある外付けのハードディスクの探索が始まります。
「システムイメージバックアップ」が保存されている外付けのハードディスクであることを確認したら、「次へ」をクリック。
この方法では他の選択肢はないので、そのまま「次へ」をクリック。
#他の選択肢が表示された場合、画面の表示をよく読んで対応しましょう。
最新のバックアップであることを確認。「完了」をクリック。
新しいハードディスクがバックアップデータによって置き換えられる、という案内がでます。ここでは続行するので、「はい」をクリック。
ここからは、バックアップされた容量によって時間が変わってきます。
復元が完了すると再起動を促されます。
そのまま放置でも自動的に再起動が行われ、元のWindowsが起動します。
これにより、バックアップを取った時点のデータ、コンテンツ、アプリケーションなどを含めて全てが元通りになりました。
#Microsoft Officeなど、アプリケーションによってはライセンス認証をやり直す必要があるものもあります。
今回の場合、「システムイメージバックアップ」が最新のバックアップとなったので、以上で復旧作業は終了となります。
もしも、「システムイメージバックアップ」を最後に行ってから時間が経っており、その間に「ファイル履歴」によって個人ファイルを別途バックアップしていた場合、その復元の方法について見てみましょう。
(4)「ファイル履歴」による個人用ファイルの復旧
「コントロールパネル」を開き、「システムとセキュリティ」にある「ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存」をクリック。
システムやネットワークの設定も元通りになっているはずです。
「ファイル履歴」によるバックアップをネットワーク・ストレージ(NAS)に行っていた場合、その設定も元通りになっているかと思います。
今回試してみたところ、下記の画像のように、復旧後すぐに「ファイル履歴はオンになっています」という表示と共に、ファイルが最後にコピーされた日時が表示されていました。
左ペインにある「個人用ファイルの復元」をクリックします。
下記のように、バックアップされたフォルダーの一覧と日時が表示され、「16/18」とあるのは18回取得したバックアップ履歴の16番目のものを表示しています。
表示されているアイコンはクリックすると中身を確認できます。
どの時点のバックアップデータを復旧させるかを決めたら、画面下部中央の緑のボタンをクリック。
その時点のデータに復元されます。
「システムイメージバックアップ」での復旧を行うと、その時点での個人ファイルもパソコンの中に戻っています。
その上で「ファイル履歴」により、最新のデータを復旧させると重複するファイルが多数現れることでしょう。
その場合、上のような画像が出るので、「コピーして置き換える」や「コピーするが両方のファイルを保存する」などを選ぶといいと思います。
バックアップしたドライブがうまく認識されない場合、ストレージの中を掘り下げて見てみると、その中に個人データの最新版が見つかります。
こちらからコピー&ペーストすることでも、個人ファイルを取り戻すことができます。
今回は、ハードディスクのトラブルにより、1,システム&個人データのバックアップ、2,ディスクの換装、3,新しいハードディスクへの復旧という一連の作業を行い、その手順についてご紹介させていただきました。
待ち時間がとても長い作業となるので、他の業務の合間に、行わせていただきました。
作業手順については決して難しいものではないですが、クリティカルなポイントがいくつかあり、扱いを失敗すると大切なデータを失うという取り返しのつかないことになることも考えられます。
もしも自信がない場合、心もとない場合、そして業務が忙しくて復旧作業ができない場合には、ぜひ弊社にご相談ください。