Window 10 Sの起動は速いのか? 動作は軽快なのか? 仕事に使えるのか? 実際に試してみました。

Windows 10 Sというバージョンがあります。Google Chrome OSと比較されて論じられていますが、実際その使い勝手はどうなのでしょうか?

教育分野で特に米国で定評があるChromebookと実際に比較して起動は速いのか? アップデートの手間は? 動作は軽快なのか?というポイントとともに、実際に仕事で使えるのかどうか、試してみました。

この記事の内容

Windows 10 “S”とは

2017年の夏に発売されたSurface Laptopには、「Windows 10 S」が搭載されています。これはWindows 10 Proをベースに、Windowsストアに登録されているWindows 10 S対応アプリ以外はインストールして使えないように制限があるものです。

一方で、米国を中心に、Google Chrome OSと搭載したChromebookが起動の速さ、メンテナンスの容易さ、価格の安さなどで、特に教育分野でシェアを拡大しています。

Windows 10 Sは、これに対抗するためのOSと言われていますが、果たしてどうなのでしょうか?Think Pad X240にインストールして試してみました。

結論:Windows 10 Sは当社の業務には耐えられません

1、官公庁系の電子申請・届出に必要なソフトが使えません。

例えばe-Taxや登記・供託オンラインシステムのアプリが使えません。

ちなみに、Internet Explorerは入っており、利用可能です。

2、MS Officeのフル版が使えません。

使えるOfficeはMobile版のみです。フル版をインストールすることはできません。

Excelでマクロが使えなくては仕事になりません。

3、単なる機能限定版です。。

伝統的なソフトウェアを利用できないことで、スタートアップ/常駐アプリがないので軽く感じます。

Home版、Pro版でもこれらを排することで同様に軽快になります。

ストアアプリに限定することで、共有ライブラリーや余計な実行環境などを用いることなくアプリを動作させるので動作が軽くなります。

しかし、できることが大幅に限定されてしまいます。

Windows 10 Sは、単なる機能限定版です。

4、ストアアプリが実用に耐えません。

改めてストアプリをいくつかインストールしてみましたが、Webアプリに毛が生えた程度のものばかり。「おすすめ」、「人気のアプリ&ゲーム」がずらりと表示されますが、これは遊びのためのパソコンなのでしょう。きっと。

起動すると、いきなり広告が現れるアプリが多く不愉快になります。

5、システムアップデート中は、通常版同様に動作が重くなります

システムの更新が始まると、同様に動作が重くなります。Chromebookの場合、更新は長くてもほんの数分で終わりますが、Windows 10 Sの場合、1703から1709へのアップデートには3時間ほどかかりました。

アップデート中に電源を切ってしまったり、更新プログラムそのものに欠陥があって、更新に失敗すると動作に支障が起きてしまうのは変わりはないことでしょう。

6、Bingが必死すぎる

バージョン1709にアップデートすると、Edgeブラウザーのアドレスバーでの検索をGoogleやYahooなどに変更するメニューが削除されており、変更ができなくなっています。

Google、Yahooに検索エンジンのシェアで大きく引き離されているBingの必死さが伺えます。

TeamViewerでリモートは可能です。

Chromebook同様に、会社/自宅のオフィスのWindows機に、リモート接続して利用することができるので、旧来のデスクトップ・ソフトウェアを利用しなければならない際には、リモートでの利用は可能です。

しかし、端末側が極端に動作が軽いというわけではないので、Chromebookと比較すると快適性では劣ります。

どんな人におススメ?

1、とにかくGoogleが嫌いで、Googleを目の前から排除したいというグーグル・フォビアの方

2、家電やさんで「インターネットください」とおっしゃる方。(今時いませんかね?)

ホントに学生向けか?

中学生、高校生ならいいでしょう。でも、上述のように使えるアプリはゲームが多くを占めていますから、親はエンタメ機を買い与える覚悟を持たないとダメでしょう。

大学生となると、理系ではまずは無理かと。Office Mobileには数式エディタが搭載されていません。これではレポートの提出はキビしいでしょう。

数式に強いOpenOfficeも別途インストールすることもできませんし。

文系でも論文の仕上げには使えません。索引機能、目次機能など論文に欠かせない機能が使えません。

入学当初はWindows 10 Sの安いので我慢して、必要に応じて数千円払ってPro版にアップグレードして、Office 365に契約して月々お金を払って、フル版のOfficeを入れる、ということになるのでしょうか。

最後にもう一度

Windows 10 Sは、仕事には不向きでした。残念!

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
この記事の内容