今回、多数のWindows 10 PC、タブレットをバージョン1511/1607からCreators Update=バージョン1703へアップグレードしました。
25台アップグレードしてみた中で、こちらに書いた通り、特殊なストレージ構成のPCが1台、更新作業中にトラブルが発生しました。
その他はすべてうまく行ったと思っていた中で、ドスパラのスティックPC「DG-STK1B」が、音が出ない、MicroSDカードを認識しない、動画がコマ落ちする、というトラブルが発生していた事に後で気づきました。
今回は、これらのトラブル修正対応について、見てまいります。
DG-STK1Bのドライバーのエラー
DG-STK1Bも、低価格帯のタブレットと同様に、内蔵ドライブは32GB。
前回まとめておいた「WindowsタブレットをWindows 10 Creators Update(バージョン1703)へアップグレード」という記事の内容と同じ手順でアップグレードが行えます。
後になって気づいたのが、MicroSDカードが認識されていないこと、HDMI接続で映像と共に音声も出るはずなのに出ないこと、動画を再生してみると動きがかなり遅いこと、でした。
「スタートメニュ」上で右クリック>「デバイスマネージャー(M)」で確認してみます。
Intel Atom Processor l2C Controllerのところに黄色い三角マークのアラートが。
#この「l2C」についは、WikiPediaに解説がありました。
「ほかのデバイス」ということで、いくつかドライバーのエラーがあるようです。
Intel Atom Processor l2C Controller対応のドライバーの導入
搭載するCPUは、Intel Atom Z3735F。Intel社のホームページで探して、Z3000シリーズのWindows 10 32bitのドライバーを探し出して入れてみようとしてもエラーになってしまいます。
「Intel Atom Processor l2C Controller」のドライバーということで検索してみると、Lenovo社のホームページで、「Intel プラットフォーム デバイス ドライバー」が見つかり試してみることに。
ビンゴでした。
#実はこのような経験は過去に何度もしています。Intel社では全てのCPU、チップセットのドライバーを自社のホームページで公開できていないことが多いです。ヒドいものです。マメなメーカーがきちんと公開している場合があって、今回も幸運なことに当たりました。
ドライバーが正しく導入されました。
これにより、MicroSDカードが認識され、ちゃんと使えるようになりました。
Net Bookの頃から、Atom CPU関連は非遇を受けているように思えます。適切なドライバーがIntel社で公開されていないのか、Windowsのドライバーのデータベースにきちんと登録されていないのか、システムアップデートの際にトラブルが起きることが多いです。
HDMI対応のグラフィックス&サウンドドライバーの導入
音に関して、このDG-STK1BスティックPCにはヘッドフォン端子、サウンド出力はありません。HDMIケーブル一本で、テレビ、液晶モニター、プロジェクターなどに映像と音声を流します。
Bluetoothスピーカー/ヘッドフォンであれば音はなる状態なのですが、面倒です。
YouTubeがコマ落ちばかりでまともに再生されません。動画ファイルの再生も同様です。
デバイスマネージャーで、ディスプレイ アダプターをチェックしてみると「Microsoft基本ディスプレイアダプター」という汎用のドライバーが入ってしまっています。
これではグラフィックス性能が出ません。
実は、「インテル ドライバー・アップデート・ユーティリティー」というツールがあって、これで自動検出できるはずなのですが、Atomの場合、見つからないことがあります。今回も同様です。
Windows 10 32bitに対応する古いグラフィックス・ドライバーを入れてみました。
これにより、「Intel HD Graphics」ドライバーが正しく導入されました。
続けて、Windows Updateをかけてみると、Intel、および Broadcom関連のドライバーが一気にアップデートされました。
これにより、サウンド再生がHDMIケーブル経由で行われるようになりました。
最後に
今回の問題は、Intel社のホームページから適切なドライバーを入手できなかったことで、解決までに、時間と労力がかかってしまいました。
今や64bitが主流の時代。
このスティックPCに搭載のCPUはx64ベースのAtomプロセッサでありながら、OSは32bit版。
複雑に絡みあうドライバー周りのトラブルが起きてしまうのは仕方ないにしても、今後もアップデート/アップグレードにはリスクが伴ってしまいそうです。