iPhoneやiPadを持って、ステージ上を動き回りながらプレゼンを行う、3つ目の方法として、本稿執筆時点でiOS 9 上で動作が確認できている「AirServer」を用いる方法をご紹介したいと思います
「AirPlay」がiOS 9では使えない?
さて、iPhoneやiPadを持って、ステージ上を動き回りながらプレゼンを行うについて、以下の記事でご紹介しています。
3つ目の方法として、本当であれば、プレゼンで便利に使えて安価な「EZcast」を紹介したいのですが、9月16日にリリースされたiOS 9。実は「AirPlay」のセキュリティ・プロトコルの仕様が大幅に変更されており、iPhone/iPadをiOS 9にアップデートすると、AirPlayを用いたアプリやEZcastなどの機器で、画面のミラーリングが行えない問題が生じています。(2015年9月24日時点)
そこで、現時点でiOS 9に対応し、動作確認が取れている「AirServer」を用いる方法をご紹介します。有償となりますが、Windows、Macに対応。サーバーの役割を持つソフトをPCまたはMacにインストールすると、iPhone/iPadの標準機能である「AirPlay」を用いて、iPhone/iPadの画面をパソコンに表示させることができます。
iPhone/iPad側には追加のアプリは不要です。
AirPlayとは?
iPhoneやiPadで再生している音楽、動画、画像などを、無線LANで他の機器でストリーミング再生させたり、iPhone/iPadの画面を丸ごと他の機器に表示させる「ミラーリング」させる機能を持つ、Apple社独自の技術です。
ちなみに、Android 4.2以降では、この「AirPlay」に代わるオープンな技術として「Miracast」が搭載されています。
AirServerでできること
iPhone/iPadの画面を丸ごと、同じ無線LANまたはBluetoothで接続されたWindowsパソコン/Macに表示させることができます。
iPhone/iPadでPowerPointやKeynoteなどのプレゼンアプリでスライドをめくっていけば、その画面がWindowsパソコン/Macに表示されます。
Windowsパソコン/Macを、プロジェクターや大型モニターに接続しておけば、iPhone/iPadの画面が出力されることになります。
「AirServer」のインストール
AirServerは、有償のアプリですが、7日間、無料でお試しができます。
次のアドレスにジャンプします。
まずは動作確認のため、試用してみることをおススメします。一番左の「Free」という表示がある「DOWNLOAD FOR FREE」をクリック。
Windows PCの場合、64bitか32bitか、インストールするパソコンに合わせて選択してダウンロードします。
ダウンロードが終わったら、ダブルクリックしてインストーラーを起動します。
インストールの注意すべき部分のみ下記に記します。
この画面では、「I want to try AirServer Universal」(試用)を選択して次に進みます。
ログイン時に、AirServerを自動で起動させるかを聞かれるので「No.」を選択
「Activation」では、「Try」を選択します。
これにより、インストールしてから7日間、無料で試用ができます。
AirServerの起動
AirServerを起動すると、画面右下の通知領域にAirServerのアイコンが表示されます。
設定についてはそのままでもOKで、特に設定の変更は必要は無いと思いますが、アイコンを右クリックすることでメニューが表示されます。
「Settings…」メニューで設定の変更ができます。
正式に購入する場合、「Activation…」メニューから購入手続きができます。
以上で準備は完了です。
iPhone/iPadからの接続
iPhone/iPadの画面の下から上に向かって指でスワイプさせるとコントロールセンターが表示されます。
AirServerがインストールされているパソコンを選んでタップします。
#ちなみに、このAirPlayの設定で、「画面型のアイコン」が表示されているデバイスには、映像/画像/音声を送ることができます。上の例では下の2つのアイコンは、音楽再生プレイヤーのアイコンなのですが、こちらでは、音声のみを送ることができます。
ここで「ミラーリング」という表示が出ていたらサーバーが正常に動作しています。このボタンを上の画像のように緑色に表示されるように「オン」にします。
iPhone/iPadを手に持って、プレゼン
以上によって、iPhone/iPadの画面上に表示されている画面をそのまま、Window PCやMacに表示させることができます。
KeynoteやPowerPointなどのプレゼンソフトを起動すると自動的に横型の表示になりますが、Windows PCの場合、「Alt + Enter」で、全画面表示にすることができます。
「Esc」キーで全画面表示が解除となります。
試用中は、画面の右下に「TRIAL」という表示が出ますが、ライセンスを購入することでこの表示は消えます。
最近のPCは、横長の画面となっており、解像度が合わず、左右にブランクが出てしまう場合があります。
これがどうしても気になる場合には、PC側で解像度の設定を行うことで調整することになろうかと思います。
または、スライドの背景を黒にしてしまうというのも、いいかもしれません。