より便利に、快適に、生産性の向上につながる仕事環境=「スマートオフィス」をICT機器を用いて実現する方法はいくつもありますが、今回ご紹介するのは”WiFiリモコン”。
空調が独立しているオフィスの場合、寒い冬、暑い夏の朝、空調のスイッチを入れてから快適な温度になるまでには時間がかかってしまいます。
リモコンがあるエアコンならば”WiFiリモコン”を用いることで、出社前にスマートフォンを使って空調のスイッチを入れる、というようなことが可能となります。
このニーズは、弊社の新しい顧問先となった企業の社長様によるもので、お話をいただいてからいくつもの”WiFiリモコン”を評価してきました。
このような、いわゆる”スマート・デバイス”黎明期の現在、先進的でリーズナブルな価格で手に入るものは中国企業によるものなのですが、特にスマホアプリの完成度がまだまだ道半ばといった所です。それ故に、目に見えないセキュリティ面でも不安が残る所ではあります。
今回ご紹介するのは「Kiwik スマートホーム WIFIリモートコントローラー」というもの。
掌に収まる大きさで、電源はスマホと同じマイクロUSBケーブルで供給。
背面にMicroUSBポート(電源)と電源スイッチ、動作状況を示すインジケーター、リセットボタンがあります。
取扱説明書もアプリも中国語と英語しかないので少しとっつきにくいかもしれません。しかし、うまく使いこなせれば、事務所内にあるリモコンをこの1台に集約でき、スマホ(iPhone/Android)で事務所内はもちろん、出先でも携帯ネットワークを通じて遠隔操作ができるようになります。
アプリのインストール~アカウントの作成
アプリはiPhone用、Android用が使えます。まだ日本語化はされておらず、日本語環境ではアプリのメニュー表示は英語となっています。
SMSで認証を行ったのちパスワードの設定を行います。
パスワードは8~31文字の英数字+記号が使えます。乗っ取りされないようにするためにも大文字+小文字、数字、記号を織り交ぜながら設定するといいでしょう。パスワードはアプリ内から変更ができます。定期的に変更するといいと思います。
WiFiリモコンを無線LANに接続
まずはアプリ内でWiFiリモコンを無線LANに接続します。
この機種の場合、トップ画面の右上の「+」をタップして「Add a device」をタップ。
接続設定が開始されますが、最もてこずるのが無線LANの設定でしょうか。
無線LANの使用電波帯域には「 2.4GHz帯」と「5GHz帯」がありますが、「2.4GHz帯」だけでしか使えません。他社の同様の機種も同じです。
たとえば「Buffalo-G-xxxx」と「Buffalo-A-xxxx」という電波が飛んでいる場合、「 2.4GHz帯」は”G”の方になります。
まずはスマートフォンで「 2.4GHz帯」に接続しておきます。
続いてアプリ内の接続画面で、同じキーを入力することでWiFiリモコンを無線LANに接続します。
リモート制御する機器の追加
再びトップ画面の右上の「+」をタップして「Add a controller」をタップ。
リモコンで制御する機器が一覧で表示されます。
「Air-conditioner」を選ぶと機器ごとの設定画面が開きます。
「Next」をタップすると膨大な量のエアコンメーカーのリストが表示されます。
その中からメーカー名で絞りこんでいきます。
メーカーがマッチしていれば、電源のオンオフ、温度設定の変更などは行えますが、細かい動作ば微妙に異なります。
・・・というのもシャープだけでも30種類のエアコンのリモコンがあって、その中から適切に動作するものをトライしながら探していく必要があります。
・・・とはいっても全ての動作がマッチするものを探し出すのは大変です。
そこで、好みの設定をこのWiFiリモコンに学習させてしまうのが簡単です。
リモコン動作のカスタマイズ設定
あらかじめ純正のリモコンで、例えば、暖房で「27度、風強度3、ルーバー上下に稼働」のように好みの状態にしておきます。
自分のエアコンのメーカーを適当に選んで、画面右上のオプションメニューをタップ「Edit Signal」をタップ。
「Continue」をタップ
すると「Waiting for signal」という窓が出るので、グラフ表示が終わるまでに、純正リモコンの「暖房」ボタンを押します。
同じようにして、いくつものパターンを学習させて保存させておくと便利です。
「Power」ボタンをタップすると、確かに電源は切れるのですが、いきなり切れてしまいます。最近のエアコンはリモコンで電源を切るとメンテナンスモードになり結露を防ぐなどの処理をしてから電源が切れるようになっています。
このためあえてリモコンの「停止」ボタンを学習させています。
いつでもどこでも電気機器を制御
今の所、ユーザーインタフェースの部分では、このように完成度が低いのではありますが、そこはいつもの”運用でカバー”ということで便利に使えるかなぁと思っています。
それよりも、リモコン付きの場合、WiFiリモコンで、出先からでもWiFi、3G/4Gなどの携帯ネットワークにつながっていれば、コントロールできてしまうのは便利だなぁと思うところです。
リモコンがついていない機器は?
リモコンが付いていないフロアスタンドやコーヒーメーカー、電気ケトルなどの場合には、”スマート・ソケット”、”スマート・プラグ”というものがあって、同じようにスマホのアプリで電源のオン/オフの制御ができるようになっています。
よくあるトラブル
一度設定ができてしまえば、スマートフォンは2.4GHz帯でも5GHz帯でも、3G/4G、いずれにつながっていてもアプリでのコントロールは可能です。
しかし、再度設定をし直すときには、スマートフォンは2.4GHz帯につながっている状態でないと変更ができない、ということをしっかりと覚えておく必要がありそうです。